フィンランド語訳聖書に見る文語の歴史的変遷

マルコスによる福音 9-18

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そのころ,イエススはガリラヤのナザレトから来て,ヨルダン川でヨハンネスから洗礼を受けた。すぐ水の中から上がると,天が開け,聖霊が鳩のように自分の方に降って来るのを見た。すると,「お前はわたしの愛する子,わたしの心にかなう者である」という声が,天から聞こえてきた。

それからすぐに,聖霊はイエススを荒れ野に送り出した。イエススは40日間そこにとどまり,サタンから誘惑を受けた。その間,野獣といっしょにいたが,天使が仕えていた。

ヨハンネスが捕らえられた後,イエススはガリラヤへ来て,神から受けた福音を宣べ伝えて,言った。「時が満ち,神の国は近づいた。悔い改めて福音を信じなさい」。

さて,イエススは,ガリラヤ湖のほとりを歩いていたとき,シモンとその兄弟のアンドレアスとが湖で網を打っているのを見た。この人たちは漁師だったのである。「さあ,わたしについて来なさい。人間を捕る漁師にしよう」とイエススが言うと,二人はすぐに網を捨てて従った。

(『新約聖書・共同訳』 講談社学術文庫,1981)

更新日 2005/10/30