知覚動詞構文
知覚動詞構文と関係節の交代
- 血を吹いて床に倒れた浅井を見て,犯人は,〈やった!〉と思い,(斎藤栄『日美子の琵琶湖・鎌倉殺人事件』)
比較: 浅井が血を吹いて床に倒れたのを見て
- ビルへはいって行く稲山と香織を見まもりながら,[...] (木谷恭介『「家康二人説」殺人事件』)
比較: 稲山と香織がビルへはいって行くのを見まもりながら
- 失礼しますと言って立ち去る英彦を行天燎子は,笑顔で見送った。(和久峻三『信州あんずの里殺人事件』)
比較: 英彦が失礼しますと言って立ち去るのを行天燎子は,笑顔で見送った。
- いつものように千太郎や文次たちと一緒に落葉を掃いているお袖をながめているとき,茂七は新顔のいることに気がついた。(宮部みゆき『本所深川ふしぎ草紙』)
比較: お袖が千太郎や文次たちと一緒に落葉を掃いているのをながめているとき
- 雲が切れた瞬間,甲斐は暗黒の空間を背景にして,酔っ払いのような足取りをした人物が,映画のクローズアップのように列車のヘッドライトに浮かび上がり,つぎの瞬間,視野の下に消えたのをはっきり目撃している (内田康夫『高千穂伝説殺人事件』)
比較: 暗黒の空間を背景にして,映画のクローズアップのように列車のヘッドライトに浮かび上がり,つぎの瞬間,視野の下に消えた酔っ払いのような足取りをした人物を目撃している
- 彼女は,猪狩文助の視線がミニスカートの下からすらりと伸びた自分の膝のあたりに注がれているのを意識しながら,澄ましこんだ顔をして赤信号をにらんでいる。(和久峻三『殺人者が目覚める朝』)
比較: ミニスカートの下からすらりと伸びた自分の膝のあたりに注がれている猪狩文助の視線を意識しながら
「姿」「音」 など
- ウィンドサーフィンに興じる若者の姿が渚にちらほら見られる。(和久峻三『信州あんずの里殺人事件』)
比較: 若者がウィンドサーフィンに興じる姿が
- こっそりと屋根裏部屋へ登り,“第2の開かずの間”へ入り,金箔の柩の蓋をあけ,泣増[なきぞう]の能面をかぶった朝美と対面している山下惣太郎の姿を想像するだけでも,空恐ろしくなってきます。(和久峻三『修善寺能面殺人事件』祥伝社ノン・ポシェット, 229)
比較: 山下惣太郎が,こっそりと屋根裏部屋へ登り,“第2の開かずの間”へ入り,金箔の柩の蓋をあけ,泣増[なきぞう]の能面をかぶった朝美と対面している姿を想像する
- あの哀調に満ちたメロディーに乗せて歌うと,そぼ降る雨の中を寄せては返す波の音が聞こえてくるような気がする[...](和久峻三『信州あんずの里殺人事件』)
比較: そぼ降る雨の中を波が寄せては返す音が聞こえてくる
- ほうきを手に落ち葉を掃くお袖の姿は,ほっそりとして,少し寂しげな風情のあるところが,まるで秋の野の花のようだった。(宮部みゆき『本所深川ふしぎ草紙』)
比較: お袖がほうきを手に落ち葉を掃く姿は,...
「後」など
- 土蔵の中で何かあったらしいと知り,慌てて飛び出した山下惣太郎の後を追って,わしも土蔵へ駆けつけた[...] (和久峻三『修善寺能面殺人事件』祥伝社ノン・ポシェット, 35)
比較: 山下惣太郎が,土蔵の中で何かあったらしいと知り,慌てて飛び出した後を追って
更新日:2002/12/08— Copyright © 2002 by Kazuto Matsumura