背景(2)

この問題の解決方法は,ただ一つ,特定のソフトウェアや特定の文字フォントに依存しない多言語処理方式を皆が共有することである。コンピュータによる多言語処理のために,Unicode (ユニコード) と呼ばれる国際規格が開発されている。世界中の様々な文字体系を一つの巨大な文字セットとしてまとめ,1つ1つの文字に一義的な文字コードを与えることによって,文字と文字コードの対応関係の曖昧性をなくすことを目指すUnicode のような規格が普及すれば,文字化けというリスクがなくなり,コンピュータによる多言語処理の効率が格段に高まることが期待される。

すでに,コンピュータの OS のレベルで の Unicode による文字処理が一般化しているほか,文字テキスト処理のためのエディターやワードプロセッサも,Unicode による文書保存・読み込みが可能な仕様になってきている。言語学者のニーズに即していえば,IPA 独自の音声記号は, Unicode 規格の IPA extensions という領域に登録されていて,たとえば Windows なら,デフォルトでインストールされる Lucida Sans Unicode という名前のフォントに IPA extensions の領域の文字や記号がほぼ含まれている。また,日本語 Windows の標準の漢字フォントにもたいていの IPA 記号が含まれている。