フィンランド語とエストニア語を中心に,バルト・フィン諸語の現状,研究史,文法構造を概観する。毎週プリントを配布する。参考書・参考文献は授業中に指示する。
10月10日
いろいろな言語のテクスト資料に品詞形態情報を付加するための実用性を重視しつつ,形態論の基本的な概念や考え方をひととおり押さえたうえで,語形変化や語形成の領域の現象をコーパスを用いて研究する方法を考える。主として,研究室所蔵の日本語と英語のコーパスを利用する。
10月10日
エストニア語の現存するテクストは16世紀初めからあるが,母語の共有をよりどころに「エストニア人」という民族意識が成熟し,ドイツ語にかわって,エストニア語が書きことばとして本格的に使われ始めるのは19世紀の半ば以降である。その後,新生エストニア共和国の国語として1920~30年代に確立したエストニア語は,半世紀に及ぶソビエト体制を生き延びて,EUの言語の1つとなった。
この講義では,「エストニア語」をキーワードに,文学作品・歌・映画なども紹介しながら,歴史的また共時的な観点から,エストニアの言語・民族・文化に関する話題を順番にとりあげ,いろいろな議論をしてみたい。
文献資料は,エストニア語を含め,英語以外の外国語のものは,日本語に翻訳して紹介するので,英語以外の外国語の知識を前提としない。
10月2日
[ 詳細 ]
[ 参考書 ]
[ レポートの課題 ]
コーパスとしての利用を目的とするテクストのマークアップの方法と,コーパス検索のための Perl プログラミングの基礎の実習。
[ 授業用プリント ]
実際の言語使用に基づいた実証的な言語研究の方法を,文字データ化され,情報付加された言語資料(コーパス)の集積と,情報付加された言語資料の検索,および,検索結果の分析の観点から考察し,議論してみたい。理論的,思弁的な言語研究に飽き足らず,新しい方向を模索している人向きの授業にしたい。参考文献等は,適宜指定する。