背景(4)

  1. いちいち Unicode の文字コードを打ち込まなくても,音声記号や特殊な文字を入力できるツール。具体的には,コンピュータのキーボードとも連動し,マウスで文字を選んで入力できるソフトキーボードで,ユーザのニーズに合わせて,Unicode 文字集合の適当な部分集合を 「サーミ語ラテン文字表記」のような名前で登録でき,必要に応じて文字セットが切り替えられる仕様になっているのが理想的である。できれば,このツールは特定の OS に依存しないものであることが望ましい。
  2. Unicode に登録されている任意の文字・記号を画面上に表示し,プリンタから出力するための Unicode 規格に対応した文字フォント。このフォントは,誰でも無料で利用できるものでなければならない。もちろん,WindowsMac に出荷時から付属している Unicode 対応のフォントに収録されている文字・記号だけで十分な場合は,このフォントを使わずに済ますことができる。

この2つの条件が満たされるなら,いわゆる文字のない言語の資料を音声記号で記録している言語学者たちの苦労が半減するだけでなく,標準ではサポートされない特別な文字体系をもつ言語の文書作成にともなう技術的な障碍を大幅に軽減し,言語学者の研究成果の現地還元の促進や,少数言語を母語とするコミュニティーにおける出版事情の改善に多大な貢献ができるはずである。