節をとる格助詞
現代語
連体形+ノ+格助詞
- 鮎子は,相手が,全くこの家の人になり切って挨拶するのが腹立たしかった。(山村美紗)
- 松井も,アルバイト料が余りに高いのを怪しみ,大丈夫だろうかと,不安そうに聞いてきた[...] (佐野洋)
- 手洗いに立ったとき,鮎子は,列車の中に,ある人物が乗っているのに気がついた。(山村美紗)
連体形+格助詞
- 男の味がもっと出てくるに違いありません。(春風亭栄枝)
- テレビのニュースが始まると同時に,浅見の目はせっかくの風景に背を向けて,テレビの四角い画面に釘づけになっていた。(内田康夫)
- 所轄署は更埴警察署のはずだが,連中が駆けつけてくるまで,わしは,ここに踏みとどまっておるでよぉ。(和久峻三)
- 娘が手の甲で頬をぬぐったとき,彦次と視線があった。彦次が声をかけようとするよりも先に,くるりと身をひるがえすと,人込みの中に紛れていってしまった。(宮部みゆき)
古典語 (更級日記)
連体形+格助詞
- 車に乗るとて,うち見やりたれば,人まにはまゐりつつ,額 (ぬか) をつきし薬師仏のたち給へるを,見すてたてまつる悲しくて,人しれずうち泣かれぬ。
- 同じ月の十五日,雨かきくらし降るに,境を出でて,しもつさの国のいかたといふ所にとまりぬ。
- むらさき生ふと聞く野も,葦・荻のみ高く生ひて,馬に乗りて弓もたる末見えぬまで,高く生ひ茂りて,中をわけ行くに,竹芝といふ寺あり。
- 山の中らばかりの,木の下のわづかなるに,葵のただ三筋ばかりあるを,世離れてかかる山中にしも生ひけむよと,人々あはれがる。
- 雪の消ゆる世もなく積もりたれば,色濃き衣に,白きあこめ着たらむやうに見えて,山の頂の少し平 (たひら) ぎたるより,煙 (けぶり) は立ちのぼる。
- ひきぬのを千むら,萬むらおらせ,晒させけるが家のあととて,深き河を船にて渡る。
- 河上の方より黄なる物流れ来て,物につきて止 (とど) まりたるを見れば,反故 (ほぐ) なり。
- それよりかみは,ゐのはなといふ坂の,えもいはずわびしきを上りぬれば,三河の国の高師の浜といふ。
- 夢にいと清げなる僧の,黄なる地の袈裟着たるが来て,「法華経五巻 (ごのまき) をとくならへ」 といふと見れど,人にも語らず,...
更新日: 2003/09/15 — Copyright © 2003 by Kazuto Matsumura