トペリウスによれば,フィンランドの国民の性格は,4つのことばに要約できる。なかなか決断しない,頑固,意思伝達が下手,もの静か。この4つの性格がもっともよく現れているのが,他でもない,我慢強く,正直で,素朴で,飼い犬のように忠実な,フィンランドの田舎男マッティである。マッティは,あまりにも,おっとりで,むっつりで,引っ込み思案なので,戦争のような大事でも走ることができない。しかし,マッティの性格に恥ずべき点は少しもない。むしろその逆だ。耐久性,献身性,誠実さ,ねばり強さは,誰もが尊敬する点である。(Allan Tiitta 2002:7)
1920年代~1930年代には,ルーネベリとトペリウスの役割分担は,まだそのまま残っていた。ルーネベリの『ストール旗手の物語』は,反共愛国者たちの愛読の書であり,『読本 わが国』は,従順な国民を育てる教科書であった。(Allan Tiitta 2002:9)